~♪お嬢様のフェラーリ購入作戦 3♪~

 
もしかして運命?・・・・
 
電車で学校に通うのは始めてでしたが、まわりの方達は毎日こんなにも苦労して通勤、 通学をしているのかと感心しました。
なにしろ地元の学校にしか通った事が無かったわたしは、今まで通学手段としては徒歩、 あるいは自転車での通学だけでした。
ところが、まさかわたしがこのすし詰め状態を毎日続ける事になろうとは・・・・。
たまに運良くシートに座る事が出来るのですが、安心は出来ませんね。なにしろ、 わたしが座っていたら、見ず知らずの
おねいさん(元)が、わたしの太ももに座ってくるんですから・・・・。
「ああっ、憂鬱だなぁ」なんて考えちゃいましたよ。(笑)
まぁ実際、毎日憂鬱でしたが、しかしそんな中わたしが今まで忘れていたものを呼び 覚ます出来事があろうとは!
それは・・・・
憂鬱な、すし詰め電車の車窓に見えた青いもの・・・・   「なんだ?」ある朝の それは一瞬の出来事だった。
その日はいてもたってもいられず、学校が終わると遊ばずに(笑)まっすぐ家路につ いたのです、朝見たものの確認をする
ために。やはりわたしが見たものは間違っていませんでした。「フェラーリ308G TB」に。 カッコ良い、いやエレガントだ。
その308GTBは、冒頭の写真と同じライトブルータリックでした。そしてその車 はわたしが毎朝乗る、となり駅の先に所に
ありました。それからというもの、毎朝人ごみをかき分けていつも乗りこむドアの反 対側の車窓に向かい、308GTBを眺める
のが日課になりました。そしていつしか、すし詰め電車も苦では無くなっていきました。 その308のオーナーさんは、ちょく
ちょく乗り出しているようで、いつも車があるはずのガレージに車が無かったりすると 「あれ? どうしたんだろう」なんて
ヤキモキしたりしていました。そのガレージはわたしの家からそう遠くない所だったの で、休みの日などに自転車をこいで
直接見に行ってました。このエレガントな車は、何度見ても全く飽きる事はありません でした。
子供の時にあこがれたスーパーカー、「どんな人が乗っているんだろうか?」そんな思 いを抱きながらその家の正面にまわり
門に埋め込んである表札を見てみると・・・・。「医学博士・・・・」
スーパーカーへの単なるあこがれからオーナーになってみたいという気持ちが芽生え かけていた矢先、一学生につき付け
られた現実・・・・。  
 
つづく
 
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308GTB
 
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