308を購入した時から気になっていたのですが、イタ車にはつき物の「錆」がいよいよ無視できない
レベルになってしまったのです。 わたしは308を通勤に使っていたため、当然、雨の日や場合によっては雪が降ってきた事もあります。 でも308はたとえ通勤するだけ でも楽しくてワクワク出来るのです。ただし、体調がよくない時は結構疲れてしまうんですけどね。 フェラーリというメーカーは、雨の日に乗る事など考えていない様で、わたしのような乗り方をしてい ては当然、錆の進行も速くなって しまうのでした。特にひどいのがドライバーズシート側のドアで、大きな穴があいてしまうありさまで す。 当時のフェラーリは伝統にのっとって、鋼管でスペースフレームを形成し、その上にボディを着せてい る構造になっているのです。 ただしスペースフレーム自体はクロモリ鋼を使用しているので、剛性低下や腐食の心配はありません。 ところがボディーは、普通の鉄を 使用し、さらにピニンファリーナ(レオナルド・フィオラバンティー)のデザインを優先させたために、 水はけが非常に悪い構造になって しまいました。 そんなこんなで、乗ること自体に問題は無かったのですが、購入後年月が経つにつれ308を本来の美 しい姿にしてあげたいと考える様 になっていったのです。でもいざフェラーリのレストアともなると数百万円かかってしまう事も珍しい 事ではありません。レストア作業 というものは、外側からでは分からない部分にメスを入れていく訳で、結局のところ作業を進めていか ないと、どれくらいの費用が必要 か見えて来ない物なのです。冒頭でも触れたとうり、わたしは「普通の会社員なお嬢様」(笑)だった ので資金など、ほとんど無かった のです。でも「錆」は確実に進行していきます。そんな中わたしは、ある一冊の本に出会いました。そ の本の中には「アマチュア・レス トアラー」なる方達を紹介していました。なんと趣味として個人でレストアを楽しんでいる方が居たの です。ただ、その本に紹介されて いる方々の車は旧い日本車だったのですが、「フェラーリだって同じ車じゃないか」という風に考えま した。 これで方向性は決まりま した。「自分の手で308のレストアをしよう!」 と。 しかし、お嬢様にはまだ大きな問題があったのです。 |
つづく |